お引越ししました!

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キッチン


「本当にひとり立ちしたい人は、なにかを育てるといいのよね。子供とかさ、鉢植えとかね。そうすると、自分の限界がわかるのよ。そこからがはじまりなのよ。」

と言う言葉の出てくる、吉本ばななさんの「キッチン」
小学生のころ、図書館で初めて借りた本がこの本でした。福武書店から出ている黒に白い花の模様が特徴的な表紙に少し厚みのある、ずっしりとした本。小さかったころのわたしは、それを「読める」と言うだけで満足でした。文字も「書ける」だけで満足。音楽も「歌える」「弾ける」だけで満足。・・・そういうときに出会った本でした。
今考えると「どうしてこの物語からもっと色んなことを汲み取っていけなかったのだろうか。」と言う後悔と「よくこれを飽きもせず読んだなあ。」と言う感心が混ざっていて、変な心地よさに包まれます。 当時のわたしは「〜出来るだけ」で満足していた人間だったようで、物語がどうとか登場人物がどうとか哲学的な物言いがどうとか、そういうことはまったく興味がなかったみたいでした。 ただ、「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。」と言う一文、これは本当に好きでした。昔から。

小学校四年生。
と言って一番に思いだすこと、それは一人で台所に立って家族の夕飯を作り始めた、と言うことです。そのころに「キッチン」を読んでいたように記憶しています。料理を教えて貰って、家族の好き嫌い、その素材に合った下処理の仕方や方法、味付けなど、試行錯誤しながらここまで来たなあ、とお昼ご飯に作った親子丼が上手く出来たので考えてみたり(笑) 何事も、色んな失敗(しめさばを何を思ったのか焼いてしまったり・・・。)を繰り返して学習しなくてはいけないなあ、と思った次第です。「作れる」だけで満足していては「美味しい。」と言う第三者の言葉は貰えませんから、ね。
そうやって考えていると本職に対して、その自覚が足りなかったかも知れないなあ、と今年の初めくらいから思い始めていました。・・・身近にあるものは中々気が付かない・・・と言う、それは言い訳ですが・・・、今年最後となるコンサート(21・22日)では色んな意味で「本心で」自分と向き合って行こう、と心に決めています。取り敢えず、風邪を引かないように・・・。!
そして今は、赤江瀑さんの「狐の剃刀」を読んでいます。こう言った妖艶さ、と言うものを少し勉強をば・・・と思って読み始めたけれど、素敵すぎて冷静に読めていません(笑)

さてさて、これから一週間、クリスマスもあったり世界は忙しいようですが、わたしはコンサートを終えたらゆっくりしたいと思っています。今年もあと二週間、みなさま、頑張らず張り切っていきましょう。!