お引越ししました!

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Otto Wagner

今年の夏はウィーンにある建築物を回ってみよう!と個人的に計画しています。今回は第一回目と言うことでウィーンを代表する建築家「オットー・ワグナー(Otto Wagner)」の建築物を見て来ました。よくよく調べてみると、あの建物も?あっちも?と普段気にも留めなかったところにあったりと、楽しんで見て回ることが出来ました。

有名なものとしては・・・ウィーンのカールスプラッツ駅でしょうか・・・。いつもここから出るバスを利用するのですが、まじまじと見たことが無かったと言う・・・。

【Wien Museum Otto Wagner Pavillon Karlsplatz】
Karlsplatz 1010 Wien (1898)






幾何学模様に植物の模様、装飾も華やかで、鉄骨の枠組みと大理石、と言うオットー・ワグナーらしさを詰め込んだものになっています。ウィーンにある数ある駅は彼の建築で建てられたものが多く、このカールスプラッツ駅はその代表作のようなものです。この緑色と金色のコンビネーションを見ると 彼らしいもの を感じます。
そしてこちらはウィーン郵便局。日本語だと、郵便貯金局、と言うのでしょうか・・・?

【Österreichische Postsparkasse】
Georg-Coch-Platz 2 1010 Wien(1903-1906)






彼の後期の作品で、アール・ヌーヴォから一脱し次の時代への橋掛けとなった作品。そして、この郵便局のある一帯は彼が手掛けたものだそうです。地図を見て貰うと分かるのですが、街の旧市街はこの建物の貯金局の内部までで、外部は街区画になっています(建物自体は六角形の形をしています)。・・・と、誰かの記事で読んで初めて分かったり・・・面白いです・・・!!! 外面も、主張するようなものではなくあくまでもシンプルに。でも、下の壁は微妙な緩急が付けてあり、滑らかな印象になっています。

 

分かるでしょうか・・・?そして、扉。ここを抜けるとエントランスがあり、そちらにも扉が・・・。そして横の通路には時計が・・・。初期の彼の作品からするととてもモダンなものになっていることが分かります。

  

 

そして中央ホールはこんな感じに、教会堂のネイヴ(身廊)とアイル(側廊)を模して造られたそうです。少し建物自体の大きさを考えると小さなホールですが、郵便局としての受付と思えばこの大きさは大きいのかも知れない・・・と思ったりもしました。今回訪れた時、ドイツのバウハウスの理念をもとに作られた耐熱ガラス“Jaener Glas(イエナグラス)”の展示会をしていました。面白かったです。

 

これは電灯と、暖房の吹き出し口です。お洒落・・・。

それから窓口と時計が・・・。これもまたお洒落・・・!

 

その横に“Wanger Werk”と言うポストミュージアムが・・・。この美術館、中をまじまじと見たことが無かったので新たな発見でした。ここで展示されているものは、ワグナーが設計した建物の設計図や小物、そして昔の郵便局窓口が展示されていました。!

 

壁にこのような模様が描かれていて・・・後期のワグナーらしさがとても出ています。

中はこんな感じになっています。P.S.K.とはオーストリア郵便局のことです。ちなみに・・・ヨゼフ一世の時代(1830-1916)に出来たこの郵便システム・・・彼の口座番号は(その証明書が残っていたのでそれを見たのですが)“1番”でした。思わず想像通り過ぎて笑ってしまったのですが、今だと考えられませんね、、、。

もう少しゆっくりと見たかったのですが、後五分で閉めるよ、と係りの方に言われたので退散し、次の目的地、ワグナーが晩年数年住んだ家を目指しました。郵便局から歩いて20分くらいのところにあります(が、この日暑かったので電車に乗りました。笑)

【Miet -und Geschaeftshaus Schottenring 23】
Schottenring 23 1010 Wien (1877)






彼自身が施主となって建てたこの建物は・・・わたしがサロンコンサートに出させて頂いているカフェの二軒隣の建物でした・・・。派手な建物があるなあ、と思っていたのですが(この季節のお蔭で市松模様が樹の葉で隠れてしまっていますが・・・汗)まさか彼の作品だとは知りませんでした。!
ここを見ても良いけれど市松模様は道を渡ってしまったら高くて見えないだろうし、と言うことで断念。その次に、市庁舎の西側にあると言う建物を目指したのですが(今はコロンビア共和国大使館になっているそうです)地図で確認して行かなかったので見つけられず、次の建物へ。

【Miethaus Lobkowitzplatz 1】
Lobkowitzplatz 1 1010 Wien(1884-1885)



この建物の全体写真を撮るのをすっかり忘れていたので、これだけなんですが・・・。
初期の作品で、ワグナーらしさがあまり伝わって来ない建物でした。この日の前日辺り、調べている時に「え?これが?これも彼の作品なの?」と驚いた建物の一つです。美術館に行く時によく通り広場の角にあるこの建物。今は一階に“Frey Wille”のショップが入っています。

確かに、この緑を使うのは彼の特徴の一つなのですが・・・。うーん、、、よく分かりません。。。

そしてそこからもう一つ彼の初期の作品へ。これも前日調べている時に「こんなところにもあったんだ!知らなかったー!」と驚いた建物です。こちらはオットー・ティーネマンとの合同作品。

【Grabenhof】
Graben 14-15 1010 Wien (1873-1874)







シュテファン寺院から延びるグラーベン通りに面したこの建物。こんなに近くで時間を掛けて見たことがなかったので、とても楽しかったです。合同作品だからなのか、少しアール・ヌーヴォっぽい感じもして、でもモダンな感じもして・・・面白い建物ですね。
それから少しだけ街を歩いて帰路に着いたのですが、思って見ればウィーンは建築の栄えた街でもありました。彼をはじめ、アドルフ・ロース(最近、彼に関する著書が本屋さんによく並んでいます)や、フランク・ロイド・ライトの設計事務所に居た経歴を持つルドルフ・シンドラー、フリーデンスライヒ・フンダルトヴァッサー、ベーゼンドルファーのピアノの設計をしたと言うヨーゼフ・ホフマン、大規模ショッピングモールの産みの親とも言われているビクター・グルーエン・・・他にもたくさんの建築家がオーストリアから出ています(戦後、アメリカに移住した方が多いので作品が海外で評価されている、と言う事も少なくはありません)

なので、この夏は少しだけ旅行して(今のところ考えているのは来週末のプラハと来月のミュンヘンと・・・その後北ドイツに行こうか迷っているのですがまだ未定です)、ウィーン内の建築物を巡ることをしても面白いかも知れない。なんて思ったりしています。でも、建築で盛り上がれる友人が居ないので(苦笑)一人で黙々と調べて黙々と一人で行くことになりそうです。笑

ウィーンは昨日から気温30度越えで、やっと夏らしくなってきました。先週まで12度とかだったのが嘘のような晴天です。体調管理をしっかりしつつ、来週末のプラハに向けて・・・いえ、来月のコンクールに向けて、しっかり勉強したいと思います。