声を視覚化すること
つい先日の話になりますが中国新聞さんに、みよし児童合唱団とわたし自身の記事を載せてくださいました。
児童合唱団の記念定期演奏会も間近に迫り子供たちもそして指導者も、ほど良い緊張のなかで練習をこなしています。そう言ったなかでこのようにメディアに載るということが子供たちにとって大きな励みになっているのではないかと感じています(新聞の取材もありましたが、今週の月曜日にはピオネットさんの取材も入り水曜日に放送していただきました!)
取材のなかで「歌を視覚化する」という話をさせていただきました。確かに声は目には見えないものですし触ったり撫でたりできないものですがこれを的確な動作と心の動きを伴うとあら不思議(笑)キレイに視覚化できます。
ここ数日、児童合唱団の二人の子が個人レッスンに通ってきてくれました。その時に使い実際に描かれた彼女たちの声が「こちら」
上段の子は高校三年生。今回が最後の定期演奏会になります。
彼女の課題は「音の幅に必要な身体の空間と声を出すタイミング」・・それをクレヨンを使って再現しました。
そして下段の子は中学一年生。今年が二回目の定期演奏会。
彼女の課題は「声を出すときの身体の柔らかさと力の使い方」・・こちらもクレヨンを使って再現しました。
はたから見ればとても奇妙な光景にしか見えないと思いますが本人たち、もちろんわたしも至って真面目に取り組んでいます。模造紙に絵(というか線?)を書き、声を自在に操る。この方法を行うとあら不思議(笑)高い音も低い音もなんのその。力が入って喉を締め付けていた身体もリラックスし自然に声がでるようになります。
この方法は言わば 正しい算数 とでも良いましょうか。
今でこそ「身体(特にお腹やお尻)に力を入れて歌う」ということが違う、と指導されてはいますが、ではそれをどのようにしてそこに極力力を入れず解消していくのか。確かに身体に力を入れれば力強い声はでますしムリをすれば高い声も出たりすることでしょう。しかしそれをせずに出すことも出来る、というものをどのように身体と心に教えるか、ということがとても重要だと思っています。
具体的に言えば、
3+5=6
9−2=10
7+1=4
というような間違った計算をしている身体をどう修正していくか、が問題になってきます。
3+5=6 +2
9−2=10 −3
7+1=4 +4
この合計の少ないものにはプラスを、多いものにはマイナスを補ってやる、ということが指導者としての責任のような気がしています。それも具体的に。ただ線を描きながら歌う、と言っても、どのように描くのか、そしてそれはどのような意味があって描くのか、そういうところからキチンと説明しなくてはいけない、と強く感じています。
指導者としてはまだまだ半人前(というか半人にもなっていないような気が・・)ですので、子供たちの成長とともにわたしも学んでいこうと思っています。
21日の定期演奏会。良いものにしたいです。