Valery Gergiev & Murray Perahia & Radu Lupu
少し前に行った二つのコンサートの事を書こうと思います。
(・・・と書いておきながら三つになってしまいました。笑)
5月21日。月曜日。ヴァレリー・ゲルギエフと、ロンドン・シンフォニー・オーケストラ、そしてチェリスト、ゴーティエ・カプコンの公演で、チャイコフスキーとスストラヴィンスキーのプログラムでした(実は二夜連続でした。前日のソリストは2011年チャイコフスキー・コンクール声楽部門受賞者のSunyoung Seoでした。あまり興味がなく、最近カプコンのチェロを生で聴く機会が多かったのでこっちにしました。)
オーケストラ // London Symphony Orchestra
チェロ // Gautier Capuçon
指揮 // Valery Gergiev
◆Peter Iljitsch Tschaikowsky
Fantasieouverture h-moll «Romeo und Julia» (1869)
Variationen über ein Rokoko-Thema A-Dur op. 33 für Violoncello und Orchester (1876)
*
(アンコール)
◆Peter Iljitsch Tschaikowsky
Andante cantabile (Streichquartett op. 11) (Fassung für Violoncello und Streichorchester) (1871/1886-1888?)***
◆Igor Strawinski
Le sacre du printemps / Bilder aus dem heidnischen Russland (1911-1913)
*
(アンコール)
◆Sergej Prokofjew
Marsch (Die Liebe zu den drei Orangen op. 33b) (1922)
ゲルギエフのロシアものと言ったら間違いないのではないか!と期待して行ったら、思っていた以上に期待通りで大興奮でした。オーケストラもとても音が輝いていて、余談ですが、外来オーケストラのやる気って良いよなあ、と思いました。やはり、地元だと緩い雰囲気になってしまうと言うか・・・(貶しているわけではありませんが)・・・なのでとても気の引き締まる思いで聴き惚れました。
最近ようやくストラヴィンスキーの音楽にも慣れ、彼の音楽の格好良さに気付き、ニジンスキーが振付けた春の祭典のDVDを買ったところだったので、バレエの振りを思い出しながら聴くことが出来ました。
*
そしてその翌日の火曜日、同じ会場で、マレイ・ペライアのリサイタルに行って来ました。
ピアノ // Murray Perahia
◆Johann Sebastian Bach
Französische Suite Nr. 5 G-Dur BWV 816 (1722-1725)
◆Ludwig van Beethoven
Sonate cis-moll op. 27/2 «Mondscheinsonate» (1801)
◆Robert Schumann
Faschingsschwank aus Wien / Fünf Fantasiebilder für Klavier op. 26 (1839-1840)*
◆Franz Schubert
Sonate A-Dur D 664 (1819 ca.)
◆Frédéric Chopin
Polonaise cis-moll op. 26/1 (1834-1835)
Prélude fis-moll op. 28/8 (1836-1839)
Mazurka C-Dur op. 67/3 (1835)
Scherzo Nr. 1 h-moll op. 20 (1831-1832)
- -
(アンコール)
◆Franz Schubert
Impromptu Es-Dur D 899/2 (1827)
◆Johannes Brahms
Intermezzo C-Dur op. 119/3 (1892)
◆Frédéric Chopin
Nocturne F-Dur op. 15/1 (1830-1831)
こうやって有名どころばかりを集めての演奏会ってあまりナイことなのでとても嬉しかったです。バッハ、ベートーヴェン、シューマン、シューベルト、ショパン。と、聞きながら、去年、彼がどこかのインタビューで「毎日ただピアノに向かって練習していたのでは見えないものが、(文献や資料を研究することによって)明確な形となって目の前に現れる。作品の奥に潜んでいるものが見えてくるのです」と言っていたことを思い出しました。
舞台から近い席に座っていたからか、音から来る迫力の面白さもさることながら、表情豊かに変わる彼の姿も楽しんで見ることが出来ました。前日のゲルギエフも(左右反対だったとは言え)同じところで見ていたので、ここは視覚的に楽しめる場所なんだな、と味を占めました。笑
そして、その週の金曜日ですが、ラドゥ・ルプーのリサイタルにも行ったことを少し。プログラムなど、ここに掲載して載せておきたいと思います。こちらは楽友協会で。
ピアノ // Radu Lupu
プログラムを取っておくのを忘れたので、ちょっと自信がないですが(ぇぇ)
◆Franz Schubert
Vier Impromptus, Op.142, D.935
◆Césa Franck
Prelude, chorale et fugue*
◆Franz Schubert
Piano Sonata, D. 845
でした。
チケットを購入した時(三月)はシューベルトとドビュッシーのプログラムだったはずだったんですが、何時の間に変わっていたんでしょうか。笑
しかしながら、凄く凄く良い時間が過ごせました。コンサートとは大体“音を出してそれを聴衆が聴く”と言うものですが、その常識が覆られたものでした。演奏者が“音に執着していない”演奏をしていることに驚きました。・・・って、わたしが思っただけの事なんですが・・・。でも、会場全体が彼の演奏に“聴き入っていた”と思います。それだけとても繊細なコンサートでした。シューベルトの抒情的な転調や全体の流れを統括しようと言う意思が見え隠れて、本当に素敵なコンサートでした。
*
こう、コンサートに行けること、それがちょっとした幸せでもあります。